マー君には1年20億円を準備!? ヤンキースの“贅沢税”回避は不可能か?
難しくなったヤンキースの贅沢税回避
ヤンキースの今季の目標とされてきた“贅沢税”の回避は、いよいよ難しい状況となってきた。名門球団は17日に5選手との年俸調停を回避し、契約延長に合意。米紙ニューヨーク・ポストは、これで選手の総年俸が1億7000万ドル(約178億6000万円)を超えたと報じている。獲得を目指す田中将大投手(25)との契約に年2000万ドル(約21億円)を想定しているとの記述もあり、目標達成は困難なようだ。
5選手の年俸は以下の通り。
ブレット・ガードナー=560万ドル(約5億8800万円)
デビッド・ロバートソン=521万ドル(約5億4700万円)
イバン・ノバ=330万ドル(約3億4650万円)
ショーン・ケリー=176万7500ドル(約1億8559万円)
フランシスコ・セルベリ=70万ドル(約7350万円)
結果、計1658万ドル(約17億4100万円)のプラスだ。“贅沢税”の規定額となる1億8900万ドル(約198億4600万円)までは約2000万ドルの余裕があるが、実質、不可能と言えるだろう。なぜなら、ヤンキースは25人のアクティブ・ロースターを埋めるために、さらに7選手をプラスする必要があるからだ。そのためには、若くて年俸の安いプレストン・クレイボーンやデビッド・フェルプスらでメンバーを固める必要が出てくる。
また、熾烈な争奪戦となっている田中の契約額は、年平均2000万ドルまで跳ね上がると見られている。さらに、昨季限りで引退したマリアノ・リベラの後継者を務めるデビッド・ロバートソンをサポートするため、ベテラン投手を1人加えたい考えもあるという。あらゆる要素を考えると、規定額のオーバーは確実な状況だ。
ただ、逆に田中を獲得できなければ、1億8900万ドル以下に抑えられる可能性が出てくる。その場合は、年俸650万ドル(約6億8260万円)のイチローやガードナーをトレードさせることも選択肢にあるようだ。いずれにせよ、まずは日本のエースの決断を待たなくてはいけない。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count