30億円プレーヤー誕生の陰に黒田の存在あり カーショーとの熱い友情とは
黒田との出会いがカーショーに与えた影響
「彼も素晴らしいピッチャーですし、点を与えないピッチングをしていた。意地の張り合いというか、お互い無言のそういうピッチングだったんじゃないかと思います。(援護がなかったのは)カーショーなら仕方ないと思っていましたし、こういう展開じゃないと、なかなか勝つチャンスがないと思っていましたから。僕が常に0点に抑えるしかないかなと。結果的にお互い勝ち負けつかずにドローということで。まぁ、チームは勝ったので、それは満足していますね」
一方、試合の数日前に黒田に「グッドラック」とメールを送っていたカーショーは、試合後に右腕の投球に脱帽した様子で話した。
「(黒田のことを)尊敬をしているし、多くのことも学んだ。今夜のゲームはタフになるだろうと思っていた。アメリカンリーグのベストピッチャーに負けたのだから、仕方がないよ」
カーショーは昨季も16勝9敗で、メジャー唯一となる防御率1点台(1.83)を記録。2度目のサイ・ヤング賞を受賞している。4年連続で200イニング以上を投げ、3年連続で防御率1位の左腕に対しては、平均年俸が3000万ドルを超えたことについても「妥当」との声が多い。まだ25歳と若いことも大きいだろう。
もし黒田との出会いがなければ、どうなっていたのか。それは誰にも分からない。カーショーは元々、類い希な才能を持っていただけに、同じような成功を収めていたはずだと指摘する人もいるだろう。ただ、黒田との出会いが左腕を大きく変えたことも確かだ。黒田の存在があったからこそ、「30億円プレーヤー」が誕生した。2人の関係を振り返ると、こんな表現も大げさではないと思えてくる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count