和田毅投手がマイナー契約の“お買い得選手”トップ6に
今季活躍の可能性が高いと評された和田
昨年12月18日にカブスとマイナー契約を結んだ和田毅投手(32)がMLB公式サイトで特集された「お買い得マイナー契約選手」の6選手の1人に選出された。
「ディスカウントコーナーでお買い物」と題された特集記事によると、昨年11月からMLB各球団と契約したFA選手は174人に上るというが、そのうち60選手がマイナー契約だという。だが、毎年マイナー契約のベテラン選手の中に、トップチームの最大の弱点を完璧に補完するような存在が何人も現れている。
そこで、ここ3カ月間でマイナー契約した選手の中で、新シーズンにトップチームで大仕事をする可能性の高い6選手がピックアップされた。その中の一人が和田。つまり日本人左腕は今季メジャーで活躍する可能性の高いと評価されたことになる。
記事では、和田が2011年12月にオリオールズと2年総額815万ドルで契約を結びながら、翌2012年5月に左肘靭帯の部分断裂でトミー・ジョン手術を受けるなど負傷に泣き、2年間マイナー暮らしが続いたことを紹介。しかし、昨年オリオールズ傘下のトリプルAノーフォークで19試合先発し、防御率4.03で80奪三振と負傷明けにしてはまずまずの成績を記録したと分析。また、メジャー挑戦前のダイエーとソフトバンクに在籍した2003年から11年までの9年間で、輝かしい戦歴を残したことも来季の活躍を予想する根拠となっている。特に11年シーズンの防御率1.51、168奪三振、さらに、わずか40四球という圧倒的な記録もその評価を高めている。
また、カブスの投手陣の陣容も、和田の復活を必要としている。昨年66勝96敗でナ・リーグ中地区最下位に終わったチームで先発ローテーション入りが確定しているのは、昨年9勝12敗で防御率3.11の左腕トラビス・ウッドと8勝18敗で防御率4.98と乱調だった右腕エドウィン・ジャクソン、8勝13敗で防護率4.34の右腕ジェフ・サマージャの3人のみ。今年、和田が負傷と無縁でいられるなら、ロスター入りの可能性は極めて高いと見られている。現在カブスは楽天の田中将大投手の争奪戦に乗り出しているが、田中の獲得に成功したとしても、和田がメジャーの舞台で活躍するチャンスは高いという予想だ。
他のお買い得選手としてノミネートしたのはブルワーズとマイナー契約を結んだマーク・レイノルズ三塁手やツインズ傘下のジェイソン・クベル外野手、マーリンズ傘下のヘンリー・ロドリゲス投手ら。また、ダルビッシュ有投手の活躍するレンジャーズ傘下で、08年から09年まで広島で活躍したコルビー・ルイス投手の名も。日本でもおなじみの同選手は右肘腱断裂と股関節の手術など負傷離脱の影響で、昨年メジャーでの投球機会がなかったが、負傷する前の実績と実力が評価され、来季の活躍が予想されている。
これらの評価通り、和田がいよいよメジャーで輝けるのか。マー君の動向に視線が注がれる中、日本人左腕の復活にも期待したいところだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count