二刀流・大谷翔平の気圧配置は「投高打低」から「投高打高」へ
打撃技術にも強いこだわりを持つ大谷
将来的には投手専念に傾きつつあるように見えるが、大谷のバットが二刀流の未来を塗り替える可能性はないのか。昨年12月。地元の岩手でふるさと復興イベントに出席した際には、打撃技術への強いこだわりを明かしていた。
【1】構え
「テークバックに入る前のスタンスで、右の腰を中に入れる。以前は(腰の向きが)真っすぐだったが、今は投手の球が速いので、ちょっとだけ左の股関節を引いて、右の膝を前に出す」
【2】スイング
「なるべく球の後ろを叩く。よく最短距離で、と言われるけど、僕はバットのヘッドを使えるように球を線でとらえる。そのためにティー打撃でのバスターは、小学生の頃からやっています」
プロの投手のスピードに対応するため、フォームを改良。さらに天性のバットコントロールに磨きをかけ、今季は二ケタ本塁打を目標に掲げている。
心意気も熱い。高校時代に左股関節の骨端線損傷で投球を禁じられていたときのこと。「けがをして、できることを探して、ずっと打撃ばかりをやっていたら、感じをつかんだ。その時期があったから、今、プロでできている」。
逆境を乗り越える中で、打者としての芽を伸ばしてきた。野手として10年に1人の素材と言い切るのは早い。100年に1人とも言える二刀流の未来図は、きっと「投高打高」に違いない。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count