2月9日に41歳を迎えたオリックスのベテラン 谷佳知を支える天国の声

仰木監督を胴上げできなかったことが大きな心残り

 今日2月9日。41歳の誕生日をキャンプ地の宮古島で迎えていた。プロ18年目となるシーズンに向け、谷佳知外野手は日夜バットを振っている。笑顔ものぞく表情が充実ぶりを物語っている。

 2006年以来、8シーズンぶりにオリックスに戻ってきた。昨年、巨人を退団。「まだまだ野球がやりたいし、できると思う」と他球団の移籍先を探した。手を差し伸べてくれたのは、古巣の球団だった。トレードで出ていったが、フロントは功労者として温かく迎え入れてくれた。

 巨人では優勝を何度も経験できたことが、何にも代えがたい誇りだった。オリックスに入団したのは1997年。だが1996年にリーグ優勝したチームも、それ以降の最高順位は2位どまりで、同球団在籍時にはついに勝利の美酒を味わうことがなかった。

 そして、自分を見出してくれた故・仰木彬監督を胴上げできなかったことは谷の野球人生の中で大きな心残りになっている。谷が、またこうしてオリックスの背番号10をつけて復帰できたのも、何かの運命なのかもしれなかった。

「佳知、お前は普通にやれば、いいんだよ。それでいい」

 仰木監督の声が頭に染みついている。非凡な打撃センスを持つ谷に対して、仰木監督はフォームなどについて、細かく指示はしなかった。谷は名将からの言葉がうれしく、自信になった。自分の信じたやり方は決して間違ってはいない。今でも打席で迷いそうになるときは、この言葉が脳裏によぎる。そうやって邪念を振り払い、迷いを消し、その勝負強い打撃を生んできた。積み重ねたヒットは1921本。あと79本で2000本安打達成となる。球界を代表する打者になった。

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