楽天のドラフト1位ルーキー松井裕樹投手のキャンプでの評価は?
ストライクが入らずショックを受けた松井
キャンプでのフリー打撃の投球の善し悪しが、実力を証明するものではない。フリーバッティングは真剣勝負の場ではない。同じ球種、同じ間合いでストライクを投げ続けていれば、スタンドインされることもある。ストライクを入れられなければ、バッターの練習にはならない。実戦形式の打撃練習ならば、打たれに行く投手はいないだろうが、フリー打撃は打たせてナンボの世界である。
楽天のキャンプで注目を集める松井裕樹(18)が初めてフリーバッティングに登板。しかし、ストライクが入らず、本人もショックを隠せなかった。コントロールは微妙な力具合で変わる。50球、投げた中で大半がボール球だった。「しっかりとストライクが取れないとだめですね」と反省しきりだった。試合で投げたわけではないのだから、そこまで落ち込む必要はないのだが、まだ勝手がわからない高卒ルーキーとあり、悔しさをにじませていた。
しかし、将来球界を背負う投手になる予感はある。ボールが先行していても、正捕手の嶋は1球、ボールを受けてみて「これは違うな、と思いました。スライダーがえげつない」と評価すれば、この日、フリー打撃の打席にたった聖澤も「指にかかったボールはよかった」と太鼓判を押した。
制球はよくなかったが、初めてのフリーバッティング登板にも関わらず、腕を振れる思い切りの良さはなかなかマネできない。まずはプロの生活に慣れ、勝手がわかってくれば、心に余裕ができ、ストライクは入りやすくなるだろう。松井には輝かしい未来が待っているに違いない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count