球界屈指の大型セカンドへ 侍ジャパン監督も期待する西武・浅村栄斗の可能性
パワーアップを実感する浅村
日本球界に待望の大型セカンドが現れた。西武・浅村栄斗内野手(23)。今季FAで巨人に移籍した片岡の後釜として、伊原新監督が二塁に据えたのは、昨季の打点王だった。
二塁手のイメージでは、昨年の楽天日本一を支えた藤田に象徴されるように、堅守巧打の黒子役が一般的。昨季27本塁打、110打点をマークしたスラッガー・浅村は、12球団一の超攻撃型と言える。
高卒6年目で身長182センチ、体重90キロの体格は、発展途上にある。キャンプインでは「93キロくらい」と去年のベスト体重から5キロ増となり、ユニホームから筋肉が隆起していた。打撃練習では、「打球の飛距離が伸びたと思う」とパワーアップを実感している。
侍ジャパンの小久保監督も宮崎・南郷キャンプを視察し、「大型セカンドとして成功してほしい」と熱視線を送った。指揮官もプロ入り時は二塁を守り、2年目に本塁打王に輝いた。それ以来となる二塁手のキング誕生を十分に予感させる。
打つだけじゃない。浅村は理想のセカンド像として、ロッテ・井口の名前を挙げる。ダイエー時代の2001年には30本塁打に加え、44盗塁で盗塁王に輝いたパワーとスピードに憧れる。今季の目標は「3割30本塁打30盗塁」のトリプルスリー。二塁手では、日米通じても、かつて広島に在籍したソリアーノ(ヤンキース)が02年にマークしただけの偉業に挑む。
一抹の不安があるとすれば、守備だ。入団時は遊撃だったが、安定感に乏しく、昨季は一塁に回った。他球団のスコアラーからは「あの大きな体で二塁を守れるのか。打撃に影響するのでは」と疑問の声が聞こえてくる。一方で、「守りが安定すれば、これ以上ない二塁になる」と多大な脅威を与えているのも事実だ。
将来的には、さらなる肉体改造で体重100キロを見据えている浅村。日米屈指の超大型セカンドとして、羽ばたく瞬間が待ち遠しい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count