マー君がリベラのロッカーを引き継いだ意味とは?
ロッカーの配置はメジャーでの実績を表す「縮図」
昨年も、ヤンキースで初めてのキャンプに臨んだイチローに、かつてバーニー・ウィリアムズが使っていた隅のロッカーが割り当てられ、話題となった。メジャーでは、ロッカーの配置はチーム内での地位を表す1つの要素となっており、実績のあるベテランには端の位置が割り当てられる場合が多い。左右に選手がいるよりもリラックスできるからだ。さらに、余っているロッカーを横につける形で、2つ分のスペースが割り当てられるのもスターの「特権」。当然、広くゆったり使えるし、荷物も多く置ける。
例えば、松井秀喜氏はエンゼルスに移籍した2010年にキャンプで初めて端や隅ではないロッカーが割り当てられ、逆に話題となった。それだけ、ヤンキースではスターとしての地位を確立していたのだ。2009年に新ヤンキースタジアムが完成したときには、希望の位置を聞かれて角を指名するという“特権”も与えられた。
当然、これはシーズンに入ってからも変わらない。そして、敵地でもロッカーの配置には気が遣われる。本拠地と比べて敵地のクラブハウスは作りが狭くなっているが、主力級には隅や2個分のスペースが与えられる。松井氏が2011年に所属したアスレチックスでは、敵地に行く際にはヤンキース時代に使っていたのと同じ位置が割り当てられることがほとんどだったという。事前にアスレチックスの関係者が調べて、リラックスできるようにと配慮されていた。
ヤンキースでも、敵地に行くと、投手陣では黒田博樹、CC・サバシア、野手ではイチロー、デレク・ジーター、アルフォンソ・ソリアーノらが優遇されることが多い。年齢やキャリアを考えれば当然と言える。クラブハウス内のロッカーの配置は、メジャーでの実績を表す「縮図」なのだ。だからこそ、田中のロッカーを見た報道陣は驚きを隠せなかった。