イチローが地元メディアに今季にかける思いを吐露
定位置確保に意欲を燃やすイチロー
ヤンキースのイチロー外野手が大型補強で競争が激化している外野手の定位置確保に意欲を燃やしている。ニューヨークポスト紙が報じている。
「(ヤンキースには)補強があったけれど、自分のポジションを見つけなければいけない」とイチローは通訳を介して語ったという。
昨年ワールドシリーズを制したレッドソックスから加入したジャコビー・エルズベリーがセンター、カージナルスから加入したカルロス・ベルトランがライト、ヤンキース7年目のブレット・ガードナーがレフトとそれぞれレギュラーポジションが固まることが有力視され、さらに、アルフォンソ・ソリアーノも控える外野陣。記事ではイチローが多くの出場機会を手にするのは難しいと指摘している。
チーム内の競争が激化することは必至だが、「このオフにはしっかりと自主トレをやってきた。色々な課題にも取り組んできたので、スプリングキャンプではうまく形になればいい」と話している。
ヤンキースの大型補強に対してフラストレーションを感じたのかという質問に対しては「フラストレーションとか憤りはない。僕のリアクションは『ウープス(ビックリした)』」と巨額の補強費をつぎ込み、移籍市場の主役となったヤンキースに、ユーモアを交えて驚いてみせた。
今後より多くの出場機会を手にするために移籍を考えるかという質問には「そういう質問は好きじゃない。スプリングキャンプでの僕の使命は怪我なく、いいコンディションを作ること。これまでもそうしてきた。そこからどうなるかは状況を見守るしかない」と淡々と応えたという。
現在メジャー通算2742安打で今後は3000本安打という金字塔が見えているが、イチロー本人は意識した様子を見せなかった。また、デレク・ジーター遊撃手の今季限りでの引退発表については「ショックを受けた」というが、自らのキャリアについては「1年1年(が勝負)」と語るに留まった。
2009年ワールドベースボールクラシックで日本代表としてともに戦ったヤンキース・田中将大投手についても質問は及んだ。大きな注目を浴びながらプレーするプレッシャーへの対処にもアドバイスを求められたが、「もしも何か聞きたいことがあるのなら、当然僕は応えますよ。でも、僕は『こうした方がいい』とか言う立場ではない」と返答。通訳を介したコメントはイチローらしく最後までクールな様子ではあるが、今シーズンのポジション争いにかける熱い思いがにじみ出ていた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count