イチローが挑む初めての壁 「5番手」からのレギュラー奪取はなるか
「最高の5番手外野手」という現状
この現状から、イチローは「5番手」とされている。ヤンキースを分析する特集記事を組んだ米CBSスポーツ(電子版)では「ここ数年、打撃成績を落としているイチローは5番手に回っているが、代走、守備固めとして貴重な存在」だと解説。エルズベリー、ガードナーはケガが多く、36歳のベルトラン、38歳のソリアーノはベテランで不安を抱えるため、バックアップが必要なヤンキースにとってイチローは「最高の5番手外野手」という不本意な評価が与えられている。
本人も、ヤンキースが補強を敢行していたときの心境を、地元メディアに対して「ウーップス!(びっくりした)」と独特の言い回しで表現している。
また、キャンプイン初日には、例年との違いについて「例えば守備練習するときにライトから行ったら、ちょっとベルトランに悪いかなって思ったり(笑)。そこはレフトから行こうかなぁ。そういうのは出てくるでしょうね。その時ある気持ちをちょっと察するというか。ただ、今日話してて、(ベルトランは)ものすごく出来た人って言うか、ちょっとバーニー・ウィリアムスがかぶる感じの雰囲気ですよね。そんなことはあんまり気にする必要がないことかなぁと感じましたけど。その辺は何となく違いといえば違いですかね」と冗談交じりに話した。
では、イチローはこの現状に甘んじて、控え外野手としてシーズン開幕を迎えるのか。もちろん、そんな気持ちはさらさらないだろう。過去のメジャー13年との違いを問われると「過去の13年も毎年違いますよ。そもそも過去の13年と今年を比較できないです。毎年違った思いがあったと思いますから、記憶の中では」とフレッシュな気持ちでフロリダ州タンパに乗り込んできたことを明かしている。
キャンプインしてからの打撃練習には、鬼気迫るものがある。他選手とは明らかに仕上がりが違う。守備もレベルの違いを随所で見せている。