メジャー開幕日が祝日に? 伝説の名手オジー・スミスが請願運動を展開

すでに、約30000人の署名が集まっている

 今回の運動に利用されている仕組みが「We The People」というもので、合衆国憲法修正第1条に基づき、アメリカ市民から政府への請願をより簡単にできるようにしたシステムだ。このシステムを通じて提出された請願が、30日以内に10万人以上の署名を集めた場合、政府ならびにオバマ大統領が請願を検討し、回答を公開することになっている。

「メジャー開幕日を祝日にしよう」という運動は、現在署名を集めている段階で、2月26日現在、約30000人が署名。10万人突破は確実だろう。

 セントルイスは、アメリカでも屈指の“ベースボールタウン”だ。カージナルスの本拠球場ブッシュスタジアムは、ほぼ毎試合満員。NFL、NHLが同日開催されていても、ブッシュスタジアムだけは、チームカラーの赤に染まるのが恒例だ。今回の請願運動がセントルイスから始まったというのは大いに頷ける話でもあり、メインキャラクターとしてオジー・スミスを起用したことは自然の流れだ。

 現役時代は、華麗なグラブさばきやバク宙のパフォーマンスでファンを虜にしたスミスは、“ウィザード・オブ・オズ(オズの魔法使い)”の愛称で親しまれた選手で、今でもセントルイスはもちろんのこと、多くのメジャーファンから愛される人物だ。開幕日が本当に祝日となるか否かは別にして、この運動をきっかけにメジャーリーグがさらなる注目を浴び、ファンによる後押しを受けることは間違いないだろう。

 ウソとも本当ともつかない遊び心をタップリ持ったこの運動に関する署名の締め切りは3月23日。10万人の署名が集まった暁には、オバマ大統領と政府がどんな回答をするのか、楽しみだ。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

【プロフィール】
佐藤直子
群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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