キャンプ打ち上げ 巨人の収穫は独立リーグの星

「今は自分の結果を残すことだけ考えている」

 着実に2軍で力をつけた。2012年のイースタン・リーグでは20試合に投げ、2勝2敗、防御率2・44。昨年は62試合で、3勝0敗6セーブ、防御率2・56。カーブ、シュート、フォーク、スライダー、チェンジアップなどを投げる。テンポの良さ、スライダーでストライクが取れる自信があり、大崩れしないところが特長である。

 希望を持てた1日がある。昨年の春のキャンプでは、小笠原道大らかつての主力が、巨人の2軍キャンプにいた。そのため、嫌でもフリー打撃で登板し、対戦することがあった。2軍とはいえ、チームの主力選手とあり、首脳陣は2軍の中でも好投手を用意。土田が指名された。「すごい打者だったので、あの時の経験は生きています」。当時は多彩な変化球を交えて空振りや凡打を奪い、かつての強打者をほぼ完璧に打ち取って自信をつかんだ。

 育成の立場にいる選手は、1度でも実戦で失敗すると、すぐに2軍行きになる。キャンプは熾烈な争いの場。その中でも2月22日の横浜DeNAとのオープン戦では2回を無安打無失点に抑える堂々のピッチングで、アピールした。

「今の自分は結果を残すことだけしか頭にありません」

 そう話す24歳の土台になっているのは、独立リーグ時代の苦労、野球で生計を立てられる喜び、そして夢へ向かうことで日々培っている自信である。独立リーグからの育成ドリームを叶えようとしている土田瑞起。支配下登録へ向けたラストスパートに注目したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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