超大物「二刀流」の誕生に全米が注目 大学アメフト界最高の選手がMLB入りを目指す

観衆の注目を集めた「二刀流」の大学1年生

 観衆の注目は1人の大学生に注がれていた。先月25日、地元のスターが打席に立つと、ヤンキースのキャンプ施設にあるジョージ・スタインブレナー・フィールドが大歓声に包まれた。名門球団にとっても、完全にアウェー状態。最初の打席はセカンドゴロ。しかし、客席からの拍手は鳴りやまない。歓声のすさまじさが、期待の大きさを表していた。

 アメリカンフットボールに興味のない人でも、野球ファンならこの名前を覚えておいた方がいい。ジェイミス・ウィンストン。まだフロリダ州立大学の1年生だ。アメフトと野球のどちらも類い希な才能を持つホープとして、米国ではすっかり有名な存在となっている。日本ハムの大谷翔平投手もビックリの「二刀流」選手だ。

 クオーターバック(QB)を務めるアメフトでは、すでに最高の栄誉を手にしている。昨年、大学アメフト界で最も活躍した選手に送られるハイズマン賞に選ばれた。1935年に制定された同賞だが、1年生の選出は前年のジョニー・マンゼル(テキサス農工大)に続いて史上2人目。米国で最も人気のあるアメフトで将来のスーパースターとして期待されている。

 そんな有望株が野球でも優れた才能を持っているのだから、話題にならないわけがない。ヤンキース戦ではマウンドに立たなかったが、フロリダ州立大ではクローザーとして活躍している。躍動感のフォームから、90マイル前半(約150キロ前後)のボールを投げ込む。こちらでもMLBのスカウトから絶賛されており、プロでも十分に通用するとの見方が強い。

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