田中将大に最も必要なのは“適応力” 新たなトレーニング「シミュレーテッドゲーム」に挑む
シミュレーテッドゲームとは?
ヤンキースの田中将大投手(25)が11日のシミュレーテッドゲームに登板することが決まった。約2時間の移動が必要となる敵地でのナショナルズ戦への登板は回避。オープン戦とは違い、日本のシート打撃に似た実戦形式の練習で味方打者と対戦し、現時点での課題などに取り組むことになりそうだ。その意気込みを通訳を介して米メディアに語っており、地元紙ニューズデイが大きく取り上げている。
田中は「確かに(オープン戦とは)少し違いますね。同じような練習をしたことはありますが、このような形は初めてです」と話したという。シミュレーテッドゲームは、キャッチャーがいて、バッターが打席に立ち、コーチがストライク、ボールをコールする。「イニング間」には、投手はダッグアウトに戻り、キャッチャーと話し合う時間も設けられている。
キャンプ当初には2、3イニングで行われるが、終盤には7イニングほどマウンドに上がることもあるという。田中は6日のフィリーズ戦で3イニングを投げたため、球数に応じて、4~5イニングをこなす見込みだ。
同紙は「田中のメジャーへの適応は、ここまで期待通りに進んでいる」としている。ブルペン、フリー打撃、そしてオープン戦では、印象深い投球を披露した。田中から初本塁打を放ったフィリーズのフレディー・ガルビスは「彼はとてもいい投手だ。メジャーでも成功すると思うよ」と、その実力を認めている。
主砲のライアン・ハワードも、対戦を終えて「みんなと話したのだが、彼はどの球種でもしっかり制球できている。すべてを投げたいところに投げているように見える。特に、スプリットは侮れない武器になるだろうね。みんな、あのボールに適応しなければいけない」と話したという。
田中にとって最も重要なのは「適応」だ。
パワー重視の野球、硬いマウンド、中4日。田中が適応しなければいけないものは多い。シミュレーテッドゲームも、その1つだ。
では、田中は普通に試合で投げたいのだろうか?
同紙によると、本人は「そうは思いません」と否定したそうだ。シミュレーテッドゲームの後は、中4日で16日の本拠地でのブレーブス戦に先発することが決まっており「選手は監督の言うことにやることをやるだけなので、私も大丈夫です」と話したという。新たな経験が、ルーキーには必ずプラスになるはずだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count