開幕メジャーの座をつかむのは誰? マイナー契約日本人選手の現状
厳しい状況に追い込まれている選手
一方、カブスの和田毅投手(33)は厳しい状況に追い込まれている。ここまでオープン戦3試合に登板して防御率11・12。初先発した15日のメッツ戦では、3回途中まで5安打4失点でKOされた。
昨年まで所属したオリオールズではなく、新天地でアピールをしなければいけない立場。チームの投手事情に目を向ける以前に、和田自身がしっかりと結果を出したいところだ。現状では昇格は難しいと言わざるを得ない。
和田の場合は、メジャーのボールやマウンドが合わないのか、生命線の制球力に狂いが生じていることが大きい。過去2年間は肘の手術で苦しんだ左腕が渡米3年目でのメジャーデビューを果たすには、猛烈な巻き返しが必要だ。
また、招待選手ではないものの、レッドソックスとオープン戦でメジャーの4試合に登板する契約を結んだ渡辺俊介投手(37)は、ここまで2試合で防御率9・00。メジャーにはほとんどいない下手投げが注目を浴びているが、3月8日のオリオールズ戦では押し出し死球を与えるなど1回2失点と苦しんだ。難しい状況だが、残り2試合でインパクトを与えられるだろうか。
もう一人、アスレチックスとマイナー契約を結ぶ中島裕之内野手(31)は、2Aでキャンプをスタートした。人数が足りないときにオープン戦に呼ばれているものの、メジャー昇格には2段階を上がる必要があり、極めて厳しい立場となっている。
早い段階でマイナー行きを宣告された田中賢介にも、メジャー昇格のためには高い壁が立ちはだかっている。招待選手としてメジャーキャンプに昇格していても、マイナー契約の選手にはシビアな現実が待っている。だからこそ、這い上がっていく選手の活躍に期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count