松坂大輔を除く日本人5選手がマイナーへ 招待選手からメジャー切符をつかむのはなぜこれほど困難なのか

2つに分けられる「招待選手」の中身

 いよいよスプリングトレーニングも終わりを告げ、メジャー30球団はそれぞれ春の拠点を置いていた温暖なフロリダとアリゾナの2州を離れる時期がきた。つまり、開幕ロースターとなる25人枠が決まる頃合いでもある。毎年この時期になると実感するのが、招待選手という立場から、開幕メジャー入りの切符をつかむことの難しさだ。

「招待選手」とは「invitee(インバイティ)」という英語の日本語訳から生まれた言葉で、マイナーリーガーながらもメジャーキャンプへの参加を“招待”された選手を指す。

 メジャーのキャンプに参加すれば、GMや編成担当の核となる主要スカウトら球団上層部、そしてメジャーの監督やコーチら現場の中枢部に、自分の実力を直接アピールすることができる。逆に、上層部や中枢部のメンバーは、自らの目で選手の実力を見極める絶好機となるわけだ。

 一口で「招待選手」と言っても、その種類は大きく2つに分けられる。一つは、まだ20歳に届くか届かないかくらいの若手有望株で、将来の起用を見据えた上で経験を積ませる目的がある。この場合、メジャーキャンプに留まっていては試合の出場機会が十分に得られないため、マイナーリーグのキャンプが始まる3月10日前後にはマイナー行きが告げられ、そこで毎日出場して経験を積んでいく。筋書き通りのマイナー送りだ。

 もう一つは、メジャー経験者やそれに匹敵する実力を持つ選手で、メジャーの戦力となる可能性を見極める目的がある。ある程度のキャリアを持つ選手が多く、年齢的には20代後半から30代後半。最近数年の成績ではメジャー契約までには至らないが、キャンプの活躍次第では、開幕メジャーの可能性を十分に見込める立場だ。

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