ヤンキースに漂う田中将大への信頼感 首脳陣も驚く日本人右腕の適応力とは?
「チームから与えられた練習をやっているだけ」
ヤンキースの田中将大投手(25)が初のメジャーキャンプを打ち上げた。2月11日にニューヨークでの入団会見を終え、そのままキャンプ地のフロリダ州タンパに入った右腕は、実に47日間を過ごした同地で、メジャーデビューへの準備を着々と整えた。その適応能力の高さにはヤンキースの首脳陣も驚きを隠せず、最高の形で4月4日のブルージェイズ戦(トロント、ロジャースセンター)での初登板を迎えられそうだ。
オープン戦5試合の成績は、2勝0敗、防御率2・14。21イニングで26奪三振、3四球と最高の結果を残した。最終登板となった28日のマーリンズ戦では、4回からマウンドに上がり、6回3安打無失点、10奪三振、無四球。日本時代とほとんど変わらない圧巻のピッチングを披露した。現時点で、不安は限りなく少ないように見える。ジョー・ジラルディ監督も「思っていたよりも、とても簡単に適応してくれた」と驚いている。
これまで多くの日本人投手が環境の変化や調整法の違いなどに苦しんできたが、なぜ田中はこれほど短期間で自分の力を発揮できるようになったのか。ルーキー右腕が当初から強調していたのは、まずはメジャー流の調整法を取り入れるということだ。
「僕はこっちのことは何もわからないので、チームから与えられた練習をやっているだけです。その中でしっかりと考えながらやっています」
キャンプ序盤に発した言葉を聞けば、柔軟な頭の持ち主であることは明らかだ。