ヤンキースに漂う田中将大への信頼感 首脳陣も驚く日本人右腕の適応力とは?
名門球団の中に漂う田中への期待感
自分で考えてやってきたものが違うと感じれば、やり方を変えてみる。球数が限られているメジャー流の調整の中で、様々なことを考え、最高のパフォーマンスが出せる方法を導き出す。
その作業を丁寧に繰り返してきた結果、オープン戦最終戦登板で圧巻の投球を見せることが出来た。そして、その課程を見ているからこそ、ジラルディ監督やラリー・ロスチャイルド投手コーチの信頼も日に日に厚くなっていった。
開幕後も、このやり方は変わらないだろう。シーズンが始まれば、今度は長距離移動や、初めて上がるマウンドでのピッチングなど、もっと多くの問題が田中の身に降りかかる。当然、壁にぶち当たることだってある。だが、ルーキーはその度に柔軟に頭を働かせ、解決策を探していくはずだ。
幸い、すぐ近くにはメジャーで確固たる実績を残してきた黒田博樹というお手本がいる。本当に困ったときには、アドバイスをもらえばいい。
メジャー初登板へ向け、まずは準備が整った。もっとも、本当にデビューを楽しみにしているのはファンではなく、一番近くでキャンプの様子を見てきた監督、コーチ、チームメートかもしれない。
田中なら必ず本来の実力を発揮し、結果を残してくれる――。名門球団の中にはそんな空気が漂っている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count