イチロー、黒田博樹、田中将大らが所属するヤンキースに厳しい評価 地元紙は今年も3位と予想

ヤンキースの不安要素は「高齢化」

 これに続くのがヤンキースだ。88勝74敗という予想は、3位に沈んだ昨年の85勝77敗よりは高い。今オフには田中将大、ジャコビー・エルズベリー、ブライアン・マッキャン、カルロス・ベルトランらの補強に、総額4億4800万ドル(約457億円)を費やした。これは、CC・サバシア、マーク・テシェイラ、A・J・バーネットを獲得した2008年オフの4億2350万ドル(約432億円)を上回る額となっている。

 不安材料は「けが」だ。昨年、ヤンキースは21人の選手で計28回も故障者リスト(DL)を使った。これは、全選手を合わせて1287試合を失った計算になるという。それだけ、ベストメンバーで戦えた試合は少なかった。

 現在、予想されるスタメンの平均年齢33・59歳という数字は、メジャー史上最高となるという。補強した先発陣、打線には期待が持てるが、引退したマリアノ・リベラの後釜としてデビッド・ロバートソンをクローザーに据えるブルペンは疑問が残るというのが同紙の見方。レイズにはかなわないまでも、プレーオフ圏内の成績となりそうだが、どうなるだろうか。

エルズベリーの抜けたレッドソックスも低評価

 昨季、世界一に輝いたレッドソックスは86勝76敗の4位と評価が低い。エルズベリーが抜けた穴はグラディー・サイズモアが埋めそうだが、けがのため2008年を最後にフルシーズンを戦ったことがなく、計算できない。昨年はエルズベリーを1番に置いた打線でア・リーグ最高の出塁率を記録したが、キーマンなしでは再現できないという。

 マーリンズに移籍したジャロッド・サルタラマッキアから、37歳のA・J・ピアジンスキーに代わる捕手についても「ダウングレード」と辛口の評価だ。上原浩治、田澤純一が支えるブルペンは強力だが、まずは勝ちパターンに持っていけるかが問題となりそうだ。

 ブルージェイズは72勝90敗で2年連続の最下位予想。昨年からの戦力の上積みはほとんどなく、特に先発ローテーションには問題を抱える。ブランドン・モローはキャンプから調子が悪く、35歳のマーク・バーリーは昨年、キャリアワースト3位の防御率と衰えが目立った。スカウトがキャンプで最高のスターターだったと評価する21歳の若手有望株アーロン・サンチェスは2Aで開幕を迎える見込みだ。先発が安定しなければ、今年も苦しいシーズンとなるだろう。

 デイリー・ニューズ以外にも、ニューヨーク・ポストがヤンキースを3位と予想している。大補強を敢行した名門球団に対する評価は、それだけ厳しい。黒田博樹や田中将大らが先発ローテの中心を担うヤンキースは、この予想を覆せるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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