オープン戦は不運続き ヤンキース・黒田博樹はいい形で2014年のスタートを切れるか

最悪だったのは雨天中止となったパイレーツ戦

 続く12日のタイガース戦では、3回2/3を10安打6失点と大乱調。この試合も雨でスタートが30分遅れたが、「すべての球がよくなかった」と本人は自分自身の出来の悪さを認めている。

 ただ、その修正を行いたかった17日のパイレーツ戦は雨で中止。この日は最悪だった。雨が強まったのは、車で1時間ほどの敵地ブラデントンまで移動してから。しかも、ウォーミングアップを始めようかと考えていると、スタッフが「試合開始が30分早まるかもしれない」と伝えにきたという。

 雨が強く降り始める前に試合を始めてしまおうという考えだったが、黒田は「野球をやってきて、試合時間が遅れることはあっても、早まるかもしれないというのは初めてだった」と戸惑いを隠せなかった。

 結局、午後1時開始予定だった試合は、午後2時前になって中止が決定。右腕は豪雨の中、慌ててタンパまで車で引き返すと、ラリー・ロスチャイルド投手コーチに打席に立ってもらい、予定されていた75球をブルペンで投げた。しかし、バットを振ってこない相手に対して75球を投げ続ける状況には四苦八苦。

 イニング間を想定した休みを設けながら投球を行ったものの「なかなか試合と同じ感覚で投げるのは難しいですね。ただ、球数をこなしただけです」と疲れ切った表情で話した。オープン戦において最も大切な「打者の反応を確かめる」という作業も出来なかった。

 22日にはキャンプ当初から予定されていたマイナーリーグの試合に登板し、パイレーツ3Aを相手に6回5安打2失点7奪三振。「自分の投球の幅を広げられる」と、左打者の内角にスライダーを投げ込むなど新たなことにトライした。しかし、「打者の反応」という意味では、マイナーリーガーとの対戦で分かりづらい部分もあったはずだ。

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