オープン戦は不運続き ヤンキース・黒田博樹はいい形で2014年のスタートを切れるか
際立つ黒田のプロフェッショナルな精神
そんな中で迎えたのが、最終登板となった28日のマーリンズ戦だったが、16日ぶりとなったメジャーリーガーとの対戦で、周囲の不安の声をかき消すかのように好投した。
結局、オープン戦では4試合11回1/3の登板に終わった。ブルペンやマイナーリーグでの登板で球数はこなしているが、田中の5試合21回に比べてみると、いかに少ない数字かが分かる。
それでも、マーリンズ戦後には「与えられたところで与えられた調整をして、自分なりにコンディションを整えて体を作っていかないといけない。それはもう仕方ないですから」と淡々と話した。逆境が続いた中でも、着々と準備を進めてきた黒田のプロフェッショナルな精神が際立つ。
アストロズファンには失礼だが、今季初戦の相手となる打線は、黒田にとってはリスクが少ないと言える。着実に1勝をつかみ、今シーズンの流れをつかみたいところだ。
「いつまでたっても準備ができるというか、満足することはない。シーズンに入ってからも微調整しながら、修正しながら、1年間やっていかないといけない。あとは先発ローテーションのみんなで力を合わせて、まずは地区優勝を目指して頑張りたい」
毎年、背水の決意でマウンドに上がる右腕。悲願のワールドシリーズ制覇へ向け、開幕してからも、どんな逆境も跳ね返していくはずだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count