地元紙がヤンキースの心温まる日本人師弟関係を特集 「田中将大はピカピカの新車で、黒田博樹は信頼できるカーナビ」

黒田「田中が必要ならば、喜んで手を差し伸べるよ」

 また、田中に対して黒田が及ぼす影響はピッチングの分野だけではないという。日本からアメリカに来て、新しい言語、習慣、練習メニュー、新しいチームメートなど毎日様々な変化に対応しなければいけないが、黒田はいつも優しいようだ。

「自分のメジャー1年目もチームメートからたくさん手助けしてもらった。彼(田中)が必要ならば、喜んで手を差し伸べるよ」

 黒田は通訳を介してこう語っている。

 田中はオープン戦5試合で計21イニングを投げ、2勝0敗。防御率は2・14で、26奪三振、四球はわずか3だった。前評判通りの活躍だったが、「メジャーがどういう流れなのか、その全てを今感じることができている。僕にとって大事なことはそこで立ち止まることではなくて、シーズンが始まっても学び続けること」と田中は通訳を介して意気込んでいる。

 一方、クラブハウスの外からは見えない後輩の奮闘に、黒田も目を細めている。

「(田中は)まだ英語を話すことができなくても、この環境に慣れようと努力しているのが分かる。ニューヨークでも通用する実力を持っている。あとは新しい環境に慣れるだけ」

 ヤンキースの首脳陣は田中のピンストライプへの適応度をどう見ているのか。ロスチャイルド氏は「彼の性格なのかな、うまい具合に適応は進んでいると思う。どうなるか先を見てみたい。障害物にぶち当たらないと分からない。その時に修正すればいい」と語っている。

 7年総額1億5500万ドルのゴールデンルーキーは最高の先達に導かれて、レギュラーシーズンデビューの瞬間を待っている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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