地元紙が今季初黒星の黒田博樹に同情 「ヤンキースの貧打の犠牲になった」
ヤンキース公式ツイッターも黒田の力投を評価
ヤンキースの黒田博樹投手が2014年シーズン開幕2試合目のアストロズ戦で先発し、6回を投げ、1本塁打を含む3安打1四球2エラーで2失点。91球で55ストライクと奮闘したが、打線が連日の不発で1-3で今季初戦で黒星がついてしまった。地元紙ニューヨーク・デイリーニュースは「黒田が貧打の犠牲になった」と報じた。
昨年111敗で、しかも終盤戦で15戦全敗を喫し、メジャー最弱と称されたアストロズ相手に、今オフに大補強を敢行したはずのヤンキースが再び沈黙した。
記事は皮肉な1行から始まる。
「5億ドルを費やし整形手術を終えた2014年のヤンキースは1年前のバージョンよりも大きく様変わりしているはずだった。しかしながら、その違いはほとんど見分けがつかない」
ヤンキースはこの日、走者のいる打席で10打席0安打。2試合では18打席2安打でわずかに1割1分1厘という惨憺たる数字で、10三振だった。2試合連続で8残塁とチャンスで拙攻が目立った。
記事では「黒田博樹は昨年何試合もあったことだが、またしても打撃陣のサポートを受けられず犠牲者になった」と6回を2失点で乗り切った先発2番手にかなり同情的だった。ヤンキースの公式ツイッターも「黒田が6回を投げ、ソリッド(手堅いピッチング)だった」と力投を評価している。また、地元紙スター・レジャーも「(ヤンキースは)黒田の力投を台無しにした」との見出しで報じた。
貧打は深刻だ。昨年王者レッドソックスから鳴りもの入りで移籍してきたリードオフマン、ジャコビー・エルズベリーは2試合でヒットゼロ。今季限りで引退を表明しているデレク・ジーター遊撃手は通算打率1割6分7厘。同じく今季加入の3番、カルロス・ベルトランも2割5分。指名打者の6番打者、アルフォンソ・ソリアーノも2試合でヒットが生まれていない。
ジョー・ジラルディ監督も「これは望んだものではない」と、格下相手の連敗と衝撃的な貧打に頭を悩ませている。昨年の最弱チーム相手に、貧打で見殺し状態になってしまった黒田。これに続くメジャーデビューを待つ田中将大投手には、さらなるプレッシャーがかかることになるかもしれない。
フルカウント編集部●文 text by Full-Count