一歩間違えれば“地獄”行きも!? 田中将大のデビュー戦の相手は“日本人キラー”も擁する強力打線
主軸にも強烈な打者が並ぶブルージェイズ
主軸も強烈だ。3番には2010年に54本、2011年に43本と2年連続のホームランキングに輝いたホセ・バティスタが君臨する。打球の飛距離はメジャー屈指で、失投は許されない相手。2011年にはホームランだけでなく、打点も132と荒稼ぎして、2冠を獲得している。ここ2年は怪我もあり、27本、28本とホームラン数が減少しているが、怖い相手であることに間違いない。
そして、このバティスタを敬遠できないのが、ブルージェイズ打線の怖いところだ。4番のエンカーナシオンは“日本人キラー”。特に、メジャーで屈指の先発投手として地位を確立している黒田、岩隈、ダルビッシュに強烈な一発を浴びせているだけに、田中としても警戒が必要と言える。
エンカーナシオンが、その名前を日本の野球ファンに印象づけたのは2012年。まずは4月28日のマリナーズ戦で、メジャー2試合目の登板となった岩隈に洗礼を浴びせた。当時は中継ぎで8回から登板した右腕に対し、無死満塁のチャンスで右中間に放り込んだ。強烈な一発で7-0での勝利に貢献している。
その2日後にはダルビッシュも餌食になった。4月30日のレンジャーズ戦で、4回に左翼へソロ本塁打。これがダルビッシュにとって、メジャー5試合目での初被弾となった。今やメジャーNO1投手に近づきつつある右腕は、この本塁打以外に失点はなく、勝利投手となったものの、メジャーの圧倒的なパワーを見せつけられた。
両者は8月17日にも対戦したが、ここでもダルビッシュは初回にエンカーナシオンに先制2ランを浴びた。この一発が響き、試合にも2-3で敗戦。ダルビッシュに黒星が付いている。
そして、豊富なキャリアを誇る黒田も“日本人キラー”の恐ろしさを知っている1人だ。同じ2012年、ヤンキース1年目の右腕は5月16日のブルージェイズ戦で5回7失点と炎上。J・P・アレンシビア、バティスタ、そしてエンカーナシオンと3人にホームランを打たれ、KOされている。
田中にとって不吉なのは、上記の4試合すべてが4日の試合会場でもある敵地トロントのロジャース・センターで行われたゲームであるということ。田中のメジャー初登板となる球場は、日本人投手の“鬼門”なのだ。どこのマウンドも投手によって好き嫌いは分かれるが、黒田は「高く感じるので、あまり好きではない」と明かしている。これが田中にとってどう影響するか、登板してみないと分からない。