メジャーデビューを果たした田中将大のプロ初登板を振り返る 苦い記憶から球界のエースへ

プロ初登板での苦い記憶

 ヤンキースの田中将大投手が4日(日本時間5日)に敵地でのブルージェイズ戦に先発し、メジャーデビューを果たした。いきなり先頭打者のカブレラに149キロの速球を本塁打され、不安定な投球で2回までに3失点。だが、その後は粘り強い投球を披露し、追加点を許さなかった。7回まで投げ抜き、勝利投手の権利を持ったまま降板。メジャー初戦という重圧のかかる舞台で持ち直した姿に、精神的な強さが際立った。

 ところでマー君のプロ初登板の日を覚えているだろうか。楽天に入団した高卒右腕は1年目からローテ入りを果たし、2007年3月29日のソフトバンク戦でプロデビュー。結果は2回途中、6失点KO。散々な内容だった。

 最速は146キロだったが、1回2/3を6安打6失点。チームも7-9で負けている。初回1死から川崎にヒットを許し、そこからリズムに乗れずに失点した。盗塁も簡単に許してしまい、何かクセを盗まれているかのようだった。球数も2回途中ながら57球と多く、ストライクゾーンにボールがまとまらなかった。

 当時の野村監督は、プロ1年生がクセを盗まれることは当たり前だと、とやかく言うつもりはなかった。田中は自分で気がつき、修正。そうやってプロのマウンドに適応していった田中は4登板目のソフトバンク戦でプロ初白星を挙げた。ただではやられないマー君のハートの強さは1年目からあった。結果、11勝7敗、防御率3・82で、パ・リーグ新人王にも輝いている。

 この日、新たな舞台で大きな一歩を踏み出した田中。果たして、メジャー1年目の成績はどうなるだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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