直球、変化球、それともコントロール? ヤンキース田中将大が自負する才能とは何か
マー君が評価する自分自身の「嗅覚」
見事、メジャーデビューを果たしたヤンキースの田中将大投手。ブルージェイズ戦に先発し、7回を3失点で切り抜け、初白星を飾った。2回までに3失点を喫したものの、その後はピンチもうまく切り抜けて、クオリティー・スタート。価値ある1勝を手にした。
マー君は一体、何がすごいのか。直球の速さ、コントロール、スライダーのキレ、ここぞという場面での馬力……と挙げていけばきりがないが、田中本人が一つ、誇って言えるものがあるようだ。
昨年のマツダオールスターゲームでのことだった。テレビ局の企画に登場した田中。楽天での最後のオールスターとなる可能性もあり、同世代の選手が集まる夏の祭典は大きな注目を集めていた。
田中以外にも巨人の澤村らが参加。各選手は能力を五角形の項目で表示された。投手の項目は球速、変化球、コントロール、緩急の4つに加え、各選手の独自の観点で自信のあるものを選べるという形式だった。マー君は4つの基本項目に加えて「嗅覚」を挙げ、それを5段階評価の「5」にしていた。
ある楽天の選手が明かしてくれた。
「マー君はあまり捕手のサインに首を振らなかった。彼の人間性でもある。捕手を尊重しているという感じ。だから、ピンチでも、自分の意図している球種やコースでも、頷いて投げることが大半だった」