野球のグローバル化はサッカーに迫れるか? メジャーリーガーの出身地が偏る現状とMLBの取り組み
開幕ロースターに多く名を連ねる、中南米諸国出身の選手
2014年はサッカー・ワールドカップの開催年だ。6月12日から7月13日にブラジルで行われる本大会には32の国と地域が参加するが、世界各地で行われた予選には、なんと203の国と地域が参加したという。
日本が国家承認をしている国は世界で195ヵ国、そして国連加盟国数は193ヵ国であることを考えると、いかにサッカーが地球上にくまなく普及しているかが分かるだろう。
メジャーリーグ機構(MLB)もまた、野球のグローバル化に向けて尽力している。だが、先日発表された、今シーズンの開幕ロースターにおける国と地域別の選手数を見ると、野球はまだまだ偏った地域にしか普及していない競技であることが明らかだ。
3月30日現在、開幕ロースター25人×全30球団+故障者リスト入り中の選手、合計853選手の内訳を見てみよう。最も多いのは、もちろんアメリカ合衆国の630人。その他、223選手(26・1パーセント)がアメリカ合衆国以外の16の国と地域を母国としている。
16の国と地域は別表の通りだ。最も多かったのは、昨年、第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)優勝国のドミニカ共和国、そして、ベネズエラ、キューバと続く。表を見ても分かる通り、16の国と地域の大半はカリブ海に浮かぶ島国を中心とする中南米諸国だ。