次戦の「エース対決」を前にダルビッシュはリラックスムード 米メディアの質問にも切れ味鋭いジョークで回答
パフォーマンスの充実ぶりをうかがわせる会見
レンジャーズのダルビッシュ有投手が16日のマリナーズ戦でメジャー屈指の右腕「キング・フェリックス」との全米注目の対決を前に、「ツーシームを打ちたい」とジョークを飛ばすなど終止余裕の表情を浮かべた。地元紙スター・テレグラム電子版が動画でも報じた会見で、今季2試合先発で無失点のエースはリラックスした様子を見せている。
前回11日のアストロズ戦では8回9奪三振、無失点と完璧に抑えながら、味方打線が沈黙。勝ち負けはつかなかった。だがダルビッシュは、今年は打線から援護を期待できるかとの問いに即答。「もちろん。はい」と打撃陣に対する信頼を明らかにしていた。
また、アストロズ戦の途中に右手親指関節部分から出血したが、その後も危なげないピッチングを見せており、マリナーズ戦も支障なしと強調。通訳を介して、「まったく自然治癒なので。投げていても全然痛くなかった。いつも切るけれど、ここは切れすぎて多分神経がない。本当に痛くないので大丈夫です」と語っている。
そして、質問はマリナーズで同じく先発予定のフェリックス・ヘルナンデス投手について及んだ。2009年に最多勝、2010年にサイ・ヤング賞と最優秀防御率賞を受賞したベネズエラのスーパーエースは「キング・フェリックス」の異名を取る。地元紙ダラス・モーニングニュースの特集記事のみならず、ESPNでも今週の注目のマッチアップにも選出されるなど、名投手同士の緊迫感溢れる投げ合いが期待されている。
ダルビッシュも2012年のメジャールーキーイヤーに2度先発でキングと投げ合っているが、いずれも乱調で2戦全敗となっている。
「そうですねえ、まあチェンジアップをしっかりと見極めて、ツーシームを打ちたいと思います」
実際にはマリナーズ戦で打席に入ることはないダルビッシュだが、キングの決め球の1つである高速チェンジアップに手を出さず、ツーシームを狙うという打者目線からの冗談を飛ばすと、地元メディアからも笑い声も飛び出し、大うけだった。寝違えの影響による首痛により開幕から出遅れだが、ジョークのキレ具合にも現在のパフォーマンスの充実ぶりをうかがわせた。
「真剣に話すと、ピッチャー同士だからあまり考えずに自分のピッチングをしたいです」
真面目な表情に戻ると自らの投球を貫くことを誓っていた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count