バレンティンにきっちりとリベンジ 巨人の守護神スコット・マシソンの素顔
冷静さを失ったマシソン
願ってもないチャンスが巡ってきたマシソンは、前夜のリベンジを果たした。神宮球場で行われた17日のヤクルトVS巨人戦のことだった。
前日の16日の試合で、巨人の外国人投手、スコット・マシソンが60発男のヤクルト、ウラジミール・バレンティンに9回ツーアウトからホームランを打たれた。喜ぶバレンティンの姿が頭にきたのか、マシソンは人差し指で相手を威嚇。何かを叫びながら、怒りに満ちた表情で迫っていった。
一方のバレンティンも激高し、両軍が入り乱れ、乱闘寸前の騒ぎになった。巨人の捕手・阿部慎之助は「あれはマシソンが悪い」と言った。味方選手がそう言うほど、マシソンは冷静さを失っていた。最近は調子が悪く、昨年の1年間で8失点だった男は4月の時点で早くも11失点。思い通りのフォームで投げられなかったこともあり、フラストレーションがたまっていた。
2本塁打のバレンティンを三振に仕留める
そして、バレンティンとの対戦が17日の神宮劇場で再び、実現した。バレンティンはこの試合で2本塁打を放っていた。結果を残せていなかったマシソンを原監督は信頼し、5-3の2点リードの9回のマウンドに送り込んだ。
結果、バレンティンを三振に打ち取り、きっちりとリベンジ。今季初セーブをマークした。最優秀救援投手に輝いた昨年を彷彿とされる躍動感が戻ってきた。バレンティンへの暴言で、マシソンは気性が激しく、口が悪い外国人選手という印象がついてしまったかもしれない。しかし、実際はそうではない。穏やかでチームメート思いの心の優しい助っ人だ。
メジャーリーグの経験のある投手は、日本の2軍に落とされるとモチベーションを落とすことが多い。しかし、マシソンは2軍にいた時、コーチの言うことをすべて受け入れた。そして1軍に上がる際には、「こんなにも僕を指導してくれて、どうもありがとうございます」とコーチ陣に感謝したという。