田中将大の快投を支える驚異のストライク率 ルーキー右腕の適応能力に驚きの声も

ハイレベルな制球と安定感

 初球からストライクを取りにいき、早めに追い込むことで、打者との勝負を常に有利に進める。追い込まれたカブスの選手たちは、決め球のスプリット、スライダーに次々と手を出し、三振を喫した。

 田中がすごいところは、渡米直後にして、このハイレベルな制球を安定して続けているところにある。デビュー戦でのブルージェイズ戦では、97球中65球の約67パーセント、2戦目のオリオールズ戦では101球中71球の70パーセントを記録。3戦合計の数字は69・5パーセントになる。四球はまだわずかに2つだ。

 これをデビュー当時のダルビッシュ有と比較してみよう。

 2012年。田中と同様に鳴り物入りでレンジャーズに入団した右腕は、制球に苦しんだ印象が強い。それは数字を見ても明らかだ。メジャーデビューのマリナーズ戦では、110球を投じて54球と、ストライク率はわずか49パーセント。4四球を与えながらも、味方打線の援護に助けられて初勝利を挙げている。

 その後もデビュー3戦目までは全333球184球でストライク率は55パーセント。3試合で実に計13四球を与えた。投球スタイルの違いがあるとはいえ、田中が滑るとされるメジャー公式球、固いマウンドにいかに早く対応し、ボールを制球できているかが分かる。

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