マー君、黒田と先発ローテを形成するヤンキース投手が“改心”? 反則投球疑惑をかき消す勝利に現地メディアも「松ヤニがなければ、ピネダに問題はない」
今回の勝利でピネダは実力を証明できた
「松ヤニは使っていない。あれは泥だ。汗が止まらなかったので(乾かすために)手に泥を塗った。誰も僕に質問をしてこなかった」
ピネダはそう釈明。レッドソックス側も試合中に審判に異議を申し立てなかったため、メジャーリーグ機構も後日、「審判は試合中に外部から持ち込まれた物質の利用を確認していない。レッドソックスからの申し立てもなかった。この状況では(ピネダ)出場停止に処する予定はない」と声明を発表した。そのためピネダは処分の対象とならず、ヤンキース側に事情聴取するに留まった。
レッドソックス主砲、デビッド・オルティズも「このリーグではみんな松ヤニを使っている。大した問題じゃない」とメジャーで慣習化している事実を示唆しており、“パインゲート”は波紋を広げていた。
ニューヨークポスト紙によると、この日の試合前、カブスのリック・レンタリア監督は「ピネダの手のひらに注視するか?」という質問を受けている。
「見るかって? もしも、何かを見たとして、それを見ていないと言うのはバカげた話だと思う。もしも、目撃して、それは見え見えで、彼のピッチングの制球に影響を与えているとするなら特にね」と語っていたという。
しかし、カブスは手のひらがクリーンになったピネダを打ち込むことはできなかった。
カブス戦の好投でそのまま汚名返上とはいかないかもしれない。だが、若手の有望株と期待され、マリナーズからヤンキースに移籍した2012年シーズンの右肩手術を乗り越えた男は、今回の勝利で、今年本格復帰した実力が本物であることを証明できたに違いない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count