好調を維持する5人目の外野手 イチローの打撃に見える微妙な変化

ファウルで粘る打席が明らかに増えた

 イチローといえば、浅いカウントからでも積極的に打ちにいき、圧倒的なバットコントロールで安打を量産するというイメージが強い。

 ただ、これについては、投手にボールを多く投げさせるというリードオフマンの役割を十分に果たしていないと指摘されることも多かった。結果として四球が少なく、打率の割に出塁率が高くないことも、批判の対象となっていた。

 もちろん、今季も初球から積極的にバットを振りにいくこともある。ただ、ボールをじっくりと見たり、ファウルで粘る打席は明らかに増えた。初めてレギュラーではない立場で開幕を迎えた今季、イチローが打席に立つ回数は激減している。1つ1つの打席を、より大切にしようとする思いが働いているかは分からない。だが、このことがいい結果につながり、チームへの貢献度が高まっていることも事実だ。

「レギュラーの立場じゃない人にとっては、準備期間という捉え方はなかなか難しい。本来、僕はこの時期そうなんですが。だから、そういう立場ではないんで、もう4月の段階でギアが入っている状態にしておかないといけない。それはこれまでなかったことなんで。まぁ、それ言えば分かるでしょ?」

 外野手の控えとして試合に臨むことが多い中、シーズン序盤での心境に例年との違いがあることは、3日のアストロズ戦後に話した言葉からも伝わってくる。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY