巨人復調の鍵を握る男 久保裕也が大歓声の中で746日ぶりに復帰登板

2年前の4月以来となる1軍のマウンド

 勝利が絶望的となった延長11回表。中日の攻撃で5点が入り、2-7となった。それでも巨人ファンは家路につこうとはしなかった。巨人の勝利をまだ信じている者。あるいは、ベンチから出てきた1人の男の復活を見届けようとする者たちがマウンドを見つめた。

 その中、巨人の投手陣最年長の久保裕也投手(33)が復帰登板を果たした。2年前のマツダスタジアム、4月3日の広島戦以来となる1軍の登板。右肘内側側副靭帯の腱の移植をするトミー・ジョン手術を受けてから約2年。大歓声の中で戻ってきた。最後のアウトを1つ、きちんと取り、役目を終えた。充実した表情を見せていた。

 厳密にいえば、久保の復帰は2年ぶりではない。3年前も故障を抱えながらの登板が続いていた。

 2011年。チームは3位に終わった。投手陣の駒不足で先発も中継ぎも抑えも序盤は固定ができなかった。抑えの予定だった外国人投手、ヤンキースでもプレーしたアルバラデホもクローザーには不向きだった。

 そのため、器用な久保が途中から中継ぎからクローザーに転向。4勝2敗20セーブをマークし、抑えのエースへとなった。ピンチを抑え、お立ち台に上がった時、心境を聞かれ「打たれたら、使った監督が悪い、と思いながら投げました」と大胆な発言を残し、東京ドームのファンを沸かせたこともあった。

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