巨人復調の鍵を握る男 久保裕也が大歓声の中で746日ぶりに復帰登板
巨人リリーフ陣に帰ってきた精神的支柱
リハビリ中も1軍の試合は気にかけて、チェックしていた。自分より若手から連絡があった時は、暗いトーンの声は出さず、明るく振る舞い、逆に元気を与えてきた。
リリーフエースの山口鉄也や、後輩の澤村拓一にはメールで激励したこともあった。エースの内海哲也とも会えば言葉で激励し、同級生で同郷の杉内俊哉を移籍1年目から気にかけていた。ファームで育成選手と練習する時も、久保はアドバイスを真剣に送っていた。誰にも分け隔てなく、接することが久保の流儀なのだろう。
昨年、無敵を誇った巨人のリリーフ陣が苦しんでいる。山口は調子を取り戻しつつあるが、久保の後に抑え役になった西村健太朗やスコット・マシソンが本来の投球ができていない。その中で、ほんの一瞬ながら昨日、久保がマウンドで光輝いたのは大きい。
精神的支柱が帰ってきた。チームを客観的に見ることができる存在がいることは大きいだろう。やはり、巨人が首位に返り咲くためには昨年のようなリリーフ陣の強力さが必要だ。
久保が1枚加わるのか、それとも久保を中心としたブルペン陣が結束して強くなっていくのか。いずれにせよ、リリーフ陣の復調は、746日ぶりに復活したこの右腕にかかっているといえそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count