今後は査定にも導入される? 過去の印象的なヒーローインタビューを振り返る
印象深いヒーローインタビューを残した選手たち
ロッテが試合後のヒーローインタビューで印象に残る受け答えをした選手に賞を与えるという。非常に画期的な試みである。お金を払って会場に足を運ぶファンは野球のプレーだけでなく、最後のお立ち台のコメントまで楽しみに来ているからである。
最近では「つまらなくなった」と評判のヒーローインタビュー。全員がそうではないが「勝利に貢献することでできてよかったです」「頑張ります」など、定型文のような言葉が目立つ。打者ならば「次につなぐつもりで打ちました」。投手なら「捕手のミットをめがけてなげました」と当たり前のことしか言わないケースが多い。
聞き手のアナウンサーにも問題がある場合もある。「○○でしたね」という自己完結型の質問では、選手によっては「そうですね」というだけで終わってしまう。時には質問になっていない問いかけも見受けられるため、一概に選手だけの責任とは言えないだろう。いずれにせよ、興奮冷めやらぬうちに行われる貴重なインタビューなのだから、野球を盛り上げるためにも改善していきたい問題だ。
ここで、これまで印象深いヒーローインタビューを残してきた選手を何人か振り返ってみよう。
【新庄剛志(阪神、日本ハム)】
阪神時代の決め台詞は大声で「明日も勝つ!」だった。これには甲子園のファンも大歓声だったが、ここから阪神は大型連敗するというオマケもついていたから印象深い。新庄はいつもお立ち台で楽しませてくれた選手の1人。日本ハム移籍後も球界再編問題の時は「これからはパ・リーグです」とパを盛り上げた。そして、引退表明の場もお立ち台を選んだ。自分を自分らしく表現できるのはグラウンドの中だった。
【川相昌弘(巨人、中日)】
1994年、優勝争いを繰り広げる中で試合を決定づけるヒットを打った巨人・川相。ヒーローインタビューに呼ばれるとアナウンサーの質問を遮り、「勇太、拓也、成美、パパ、頑張ったよ!」と子供たちの名前をいきなり叫んだ。まじめな印象のあった川相のそのギャップにファンは喜んだ。川相は少し低迷気味だったチームの雰囲気を少しでも明るくしようと考えていたという。