ヤンキースにとって痛恨のスキャンダル ピネダの反則投球に球団幹部も「我々は組織として責任がある」と猛省
松ヤニは何があっても反則
その後、ピネダ(Pineda)と松ヤニ(Pine Tar)をかけて、ウォーターゲート事件ならぬ「パインゲート」と全米で報じられた問題に関し、前回の試合後、レッドソックスの主砲デビッド・オルティズは地元紙スターレジャー紙に「このリーグではみんな松ヤニを使っている。大した問題ではない」と語り、松ヤニの使用がメジャーで半ば慣習化していることを認めていた。
この日の試合後、ヤンキースのブライアン・マッキャン捕手も「身体に何かを塗り付けてはいけない。でも、寒い時に投げるのは難しい」と擁護するようなコメントを残しているという。
一方、ウォールストリート・ジャーナル紙のヤンキース番記者ダニエル・バーバリシ氏のツイートによると、ヤンキースのラリー・ロスチャイルド投手コーチは「彼がどんな処罰を受けるか理解しているか、私には分からない。説明しなければいけないが……。松ヤニは何があろうと反則だ。“もっとうまくズルをしろ”と彼に言わせたいのか?」と語っている。
ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMはテレビを見ている知り合いから、登板中の2回にピネダの首に松ヤニが輝いていることを指摘されたが、時すでに遅し、だった。
「正直、これは誇れるような状況ではない。本当に恥ずべきところだ。我々は組織として責任がある」と地元メディアの囲み取材で語っているという。
ヤンキースにとっては痛恨のスキャンダルだ。ピンストライプの名門のブランドへの影響のみならず、すでに先発ローテーションの3番手であるイバン・ノバ投手は肘の靭帯損傷で今季中の復帰が絶望視されている。ここにきて、5番手のピネダの出場停止は田中将大、黒田博樹という日本のダブルエースへの精神的な負担と責任を一気に増やしかねない状況だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count