横浜DeNAベイスターズ・入来用具担当の出演CMが話題に 裏方の存在意義に迫る

1人で何役もこなす

 ある日の1日。ホームゲームでのナイターが午後6時から始まるとすれば、午前9時から10時の時間帯にはすでに球場入りしている。3連戦の最初の試合の際は特に仕事が多い。その直前の試合がビジターの球場だった場合は、前の試合から運ばれてくる大量の荷物を降ろし、仕分けをする。

 昼過ぎに始まるチーム練習のために、ボールやバット、ネットを準備。フリーバッティング用には、新しいボールをおろす作業から始まる。箱から出し、袋を破り、ボールをくるんだアルミを剥く。球団によって差異はあるが800個分くらいのボールを練習までに準備しなくてはならない。

 コーチたちが使うノックバットをきれいに並べ、ベンチには選手が使うタオルを置く。特に験をかつぐ選手やベテラン選手には気を遣い、活躍した試合のときと同じような形で、バットやヘルメットの向きなどを考えて、準備することもある。

 ロッカールームでは選手たちから、「ユニホームや道具が見当たらない」「○○を忘れてきてしまいました」「○○が足りません」などと要求が飛び交うため、それにも対処する。要求は1つ、2つというレベルではなく、時には打撃投手や捕手、守備練習を行う選手のキャットボール相手にも指名される。1人で何役をこなしているのだろうと感心するくらい働き詰めである。

 試合が終われば、試合や練習で使った用具の片づけと確認、ロッカールームの整理などを行う。1軍の試合でケガをしてしまい、その選手が病院に行って球場には戻らない場合や戦線離脱が決まった時などは、その選手の荷物をまとめ、郵送する手順を整える。試合に勝てば、1日の疲れも少しは吹き飛ぶが、負けたり、選手がケガをしたり、あるいは2軍落ちを言い渡されたりする瞬間は、やりきれない気持ちにもなることも多いという。

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