阪神の新外国人マウロ・ゴメスが開幕から25試合連続出塁 そのすごさと秘密
福留のバットを借りて来日初アーチ
連続試合出場というだけで見れば、上には上がいる。ただ、開幕から25試合という点ではゴメスは評価できる。不慣れな日本の野球に対応していくのは難しい。バット一つとってみてもそうだ。
木の材質が違えば、感触も変わる。来日して間もない選手は日本のメーカーに頼んだバットと自分の感覚が合わない場合、オープン戦までは母国のリーグで使っていたバットで出場することがある。ただ、それは公式戦では認められていない。同じ重さ、長さで発注しても、使ってみると違和感を覚えるほど、バットは繊細なもの。日本と米国では気候や湿度も違い、湿気などでもバットの感触は大きく変わってくる。
ゴメスはチームメートである福留孝介のバットを借りて打ったところ、17日の広島戦(マツダ)で来日初アーチ。それ以降、お気に入りのバットになった。ヘッドが効くタイプのもので、そこから使い始め、メーカーに同型のものを発注。ようやく自分の「刀」と巡り合ったようだ。日本で成功するために、助言をもらうなど試行錯誤しながら、連続試合出塁を伸ばしていった。
福留も過去にメジャーリーグでプレーしていたとき、バットに苦しんだ一人。日本から運ばれてきたバットが、打つたびに折れてしまうという時期があった。空路での気圧の問題、保管している場所の湿度の問題などでバットの感覚が変わってしまっていた。異国の地での大変さは身をもって感じている。少しでも力になれればとバットを提供しており、ゴメスも福留の存在は力強く感じている。
日本の投手への対応にも慣れてきた虎の主砲。仲間の助けも借りながら、開幕記録だけではなく、リーグ記録や日本記録にも挑戦していってもらいたい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count