ダルビッシュ有とともに先発ローテの柱を担う新星　絶好調の左腕がレンジャーズを救う

ペレスと他の若手投手との違い

　他の若手投手とペレスは何が違うのか。それは、マウンド上での落ち着きだろう。走者を背負ったとしても、投げ急ぐことがない。過去2年に大量点を許した試合を振り返った時、ピンチになればなるほど、投げるテンポが速くなっていたことに気付いたという。

「だから、どの球を投げる時にも一定のテンポを守るように気を付けているんだ。流れに飲み込まれないこと。これが大量失点をゆるさないカギだと思うんだ」と話すが、気付いたからといって実行できるとは限らない。

　ワシントン監督が評価するのも、この点だ。「マウンド上で自分を見失うことなく、ゲームプランに沿った投球をし続ける。年齢を感じさせない成熟さをもっているし、自分がやるべきことが分かっている」と手放しの褒めようだ。

　いったんマウンドを離れると、ペレスは笑顔を絶やさない。底抜けに明るく、今どきの23歳にしては珍しいくらい素直な性格だ。いい意味での自信にも満ちあふれている。

　春先に話をした時、「野球が大好きなんだ」と目を輝かせたことがある。

「チームが勝てれば、自分に勝ちがつこうが負けがつこうが構わない。ベネズエラで生まれ育って、小さい頃から憧れだったメジャーのマウンドに立っているんだから、これ以上の贅沢は言えない。自分を信じて投げ続けるだけだよ」