大乱調に終わった黒田博樹に地元メディアからは擁護と非難の声 ヤンキース監督は日本人右腕への信頼を示す
「黒田が戻ってくる」ことを信じるジラルディ監督
一方で、黒田をかばう論調だったのはESPN。「打ち込まれた黒田は、絶不調の後でも笑いを誘った」との見出しで原稿を掲載した。試合後、右腕がユーモアを交えて取材に応じたことを好意的に報じている。
登板後の米メディアの取材では、黒田が39歳で迎えたシーズンに対応できるのか、質問が飛んだという。それに対して、通訳を介して以下のように答えると、笑いが起きたという。
「分かりません。39歳になるのは初めてですから」
黒田は試合開始時に気温11・7度と計測された寒さなど、あらゆる悪条件を乱調の理由にしなかった。記事では「開幕から先発として4度のいいスタートを切った後、この日は炎上してしまった」と言及。それでも、全体の論調としては、昨年から実質のエースとしてフル稼働してきたベテランに対する信頼は揺らいでいない。
また、地元紙スターレジャーも「ジラルディは、黒田がうまくやってくれる(調子を取り戻してくれる)だろう、と話した」と題した記事を掲載。ベテラン右腕に対する指揮官の信頼が揺らいでないことを強調している。
「彼はそれ(乱調の原因)を把握していると思う。彼は調子を取り戻してくれるだろう。今年はやや好不調の波がある。調子がいいときもあるが、今日は良くなかったようだ。どんなピッチャーにもこんな夜はある。それがいつ来るかは分からない。彼は修正してくれる」
試合後にジラルディ監督はこう話したという。昨年までのように、抜群の安定感を誇る黒田が戻ってくることを心から信じているようだ。
昨年までに築いたチームメート、ファンの絶大な信頼は、そう簡単に揺らぐものではない。不安を払拭するためにも、次回の登板では本来の投球を見せたいところだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count