ロッテ・ドラフト1位ルーキー石川歩が日曜登板で3勝 「サンデー男」の系譜はいかにして生まれたか
いずれ「サンデー男」は卒業しなければならない
2000年には同じロッテから「サンデー晋吾」こと小野晋吾投手が先発ローテに定着。かつてロッテには無敵のサンデー男がいたことから、「サンデー」の名前がついた。小野は中6日のローテーションでまわり、日曜日に12試合連続で先発し、9連勝をするなど、かつての村田兆治氏を彷彿とさせる働きぶりだった。この年、13勝5敗で最高勝率のタイトルを獲得。昨年、惜しまれながらユニホームを脱いだが、日曜日の強さはファンの胸に刻まれている。
ただ、「サンデー男」はいずれは卒業しなくてはならない。小野もそうだったが、チームの勝ち頭になると、勝利が計算できるため、中4日、中5日で首脳陣は使いたくなるものだ。体ができていない高卒の投手ならば無理はしないが20代中盤の投手ならば、どんどん登板させられるだろう。小野もシーズン後半は中5日でまわることが増えていった。
そして日曜日の試合は6連戦の最後になることが多い。一方、チームのエースクラスの投手は6連戦の頭の火曜日や、カード頭の金曜日に投げてくることが多い。最初のうちは日曜日固定のローテーションでもいいが、エースになっていく投手はそれではいけない。エースクラスになるためには、カード頭で先発できるような投手にならなくてはいけない。
サンデー五右衛門こと、石川のプロのシーズンはまだ始まったばかり。サンデーの愛称もこれでどんどん浸透していくだろう。球場に足を運ぶファンの楽しみも増える。だが、新人王筆頭候補の石川には「サンデー男」の称号だけに満足せず、他球団のエースとぶつかり、勝っていく投手になることを期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count