現地メディアが田中将大の“不屈の魂”を絶賛 「ブルドッグのメンタリティ」
苦境に立った時こそ、その投手の多くを知ることができる
現地時間27日のエンゼルス戦で先発したヤンキースの田中将大投手が自身メジャー最多の4四球を与えるなど苦しみながら2失点に抑え込んだことに関し、その不屈の魂を地元メディアが賞賛している。「オフの夜でも田中は感銘的」という見出しでESPNが報じた。
記事では「日曜日のエンゼルス戦で、田中がベストの状態でなくても優秀なピッチャーであることを、我々は目撃した。悪戦苦闘しながらも、重要なテストをクリアしたのだ。25歳の右腕は何度も何度も制球の問題とその修正を繰り返しながら、ヤンキースに勝利の可能性をもたらした」と伝えている。
勝敗はつかなかったものの、3-2の勝利に貢献した田中が万全とは言えない状態でもアルバート・プホルス一塁手ら強打者に対抗したことから、そのポテンシャルと高度な修正力を称えている。
「デビュー4試合と比較し、田中のコントロールは実に平均的だった。11三振を奪ったことを考えると冗談のようだが……、田中は自分と闘っていた。ボールは縦に横に逸れ、低く過ぎたり、内角をえぐりすぎたりもした。そして、不屈の強さを田中は日本で示してきたと言われているが、あのブルドッグのメンタリティを完全に発露した。日本シリーズで160球を投げた翌日に、リリーフでのピッチングを志願したという逸話通りのものだ」
エンゼルス戦前までの4試合の四球は合計2だったが、この日だけでその倍の数に達した。制球難に苦しみ抜きながらも、崩れなかった田中の強靭な精神力は、相手に食らいついたら離れないブルドッグにたとえられている。
「ピッチャーが苦境に立った時にこそ、その投手の多くを知ることができる。そして、解決する糸口を見つけるものだ」
ジョー・ジラルディ監督はこの日のピッチングについてこう語っているという。
地元紙「ニューヨーク・デイリーニューズ」の電子版も「田中は苦闘も11奪三振」と見出しで報じている。万全ではない状態でもチームに勝利を貢献できる7年契約1億5500万ドルの男はピンストライプの名門でエースの風格すら漂わせはじめている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count