3シーズン目となる日本で結果を残せるか 楽天が獲得を目指すボウカーの素顔
日本の文化を好み、ファンに愛される選手
初年度の2012年、ボウカーはシーズン途中から不調で2軍暮らしになった。アメリカのマイナーと日本のファーム組織は違う。ボウカーは若い育成選手らとともに、真夏の炎天下で外野のダッシュを行っていた。助っ人外国人はこの夏場に2軍に落とされると、1日でも早く母国に戻りたくなり、来年への準備、所属先探しに水面下で入るケースも珍しくない。
しかし、ボウカーが出場のチャンスを待ち、嫌な顔ひとつせずに走り込みを行っている姿に他球団の渉外担当は来年も日本でやる強い意志を感じ取ったという。日本の野球を軽視していない真面目な性格も楽天サイドには高評価だったようだ。
ただ、楽天が興味を持つ中、ボウカーは巨人残留の希望を失わなかった。チームに誇りと愛着を持っていたことや、ファンを裏切ったまま他のところにはいけないという思いから、もう1年、同じチームで力を発揮したい気持ちが強かった。
金額は明らかになっていないが、楽天は巨人にひけをとらない年俸を用意していたという。その中で、ボウガーは巨人と契約を結び、日本一連覇を目標に掲げた。そして昨年は一昨年よりも多い105試合、14本塁打。なんとか意地をみせようと努力した。しかし、再契約には至らなかった。
2013年シーズン後のオフには、楽天もユーキリス獲得に成功し、打線の強化はボウカーに触手を伸ばす前に終了していた。だが、ここにきて、ユーキリスの離脱とAJの不振という問題が浮上。交流戦が始まる前に、セ・リーグを知るボウカーの力を借りることを決めた。
練習の虫で、ウエートトレーニングを毎日欠かさず行うパワーヒッター。日本の文化も好きで、心も優しいファンに愛される外国人選手だ。もう少し日本人投手との駆け引きを学ぶことができさえすれば、頼りがいのある助っ人になるだろう。楽天フロントの期待に応えることができるか。日本で3シーズン目となるボウガーの活躍が注目される。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count