松井裕樹は1軍に這い上がれるか 2軍戦で磨き上げる「財産」と「フォーム」

松井が1軍のマウンドで学んだ、対打者との感覚

 1勝することはできなかったが、開幕から1軍で登板した経験は、2軍戦、また、松井の今後に大きく影響することになりそうだ。大久保2軍監督も、松井が1軍のマウンドで学んだ対打者との感覚が生きていると感じている。

 それは、2軍戦で空振りが取れた球は1軍でファウルされる、あるいは、ファウルされた球は1軍では前に飛ばされるという感覚だという。それを自分なりに分析、理解できていることが重要で、この感覚は実践を積まなければ磨けない部分だ。

 この感覚が研ぎ澄まされることによって、駆け引きがよりうまくなり、ボール球やファウルを有効に使え、カウントを有利に進められるようになる。これまではストライクを取ることに苦労し、投げるボールの質に変化をつけることができなかった。

 1軍で身につけた感覚について、大久保監督も「星野監督が我慢して使ってくれた財産」と話している。この財産を土台に、打者との感覚やデータを積み上げ、メカニックの修正をしながら、松井はプロ初勝利を目指していくことになる。10日のヤクルト戦も、今後の飛躍に向けて大事な一戦となる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY