8回を無失点と快投の岩隈久志に両軍から称賛の声 「クマは驚異的」「今日はまったく打てる気がしなかった」
間違いなく勝利に値する内容だった
マリナーズ岩隈久志投手(33)が8回を4安打無四球で無失点に抑える快投を披露したが、今季3勝目を飾ることはできなかった。
レイズのエース左腕プライスとの投げ合いとなったこの日。初回に味方打線がもぎとった1点を守り切るため、ボールを低めに集める丁寧なピッチングで、レイズ打線につけいる隙を与えなかった。8回を投げて97球という理想的な投球だったが、今季3試合目の先発ということも考慮され、1点リードのまま降板。9回のマウンドを守護神ロドニーに引き継いだが、そのロドニーがまさかの2失点で逆転を許し、チームは痛い敗戦となった。
USAトゥデー紙の電子版では「ロドニーの救援失敗が岩隈の快投を台無しにした」との見出しで、9回に訪れた、よもやの逆転劇を紹介している。降板時に地元ファンからブーイングを浴びたロドニーは「ファンがブーイングする気持ちは分かる。みんな勝利を期待していたのに、それが現実のものとならなかったから怒っているんだ」と意気消沈の様子だったという。
地元紙シアトル・タイムス電子版では、岩隈の投球について「brilliant(見事)」と評し、「間違いなく勝利に値する内容だった」としている。それと同時に、マクレンドン監督のコメントとして「8回を終えて、岩隈はスタミナ切れになっていた」という事実を紹介。監督は「まだ今季3度目の登板だから仕方ない」としているが、もしこれがシーズン半ばであれば、おそらく9回も続投させたかったのだろう。
MLB公式HPによれば、レイズ捕手のホセ・モリーナは、岩隈について「今日はまったく打てる気がしなかった」と賛辞を送っている。また、昨季までタイガースで打撃コーチを務め、今季マリナーズの監督就任1年目のマクレンドン監督は「クマ(岩隈の愛称)は驚異的」と絶賛。「敵側のベンチから見ていた時もいい投手だとは思っていたが、実際はそれ以上に素晴らしい投手」とうれしい悲鳴を上げている。
ローテーション通りならば、次回登板は20日レンジャーズ戦の予定だ。同地区のライバルは、互いに手の内を知る嫌な相手。顔なじみの敵に対して、同じく圧倒的な投球を見せられるか注目が集まる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count