「伝道師は黒田博樹」!? ヤンキースでハイチュウが大ブームに

ヤンキース最大の中毒患者は、CC・サバシア

 他の選手も完全に魅了されている。昨年レッドソックスで上原浩治投手や田澤純一投手と同僚だった救援投手のマット・ソーントンは、ハイチュウの持つ抗い難い魅力を“ドーピング”にまでたとえて、こう表現している。

「最初にハイチュウを紹介されたのは去年、ボストンでのこと。クラブハウスで最初に見た時から、チームで大ウケすると一瞬で分かった。すごく美味しいんだ。禁止薬物か中毒性の高い成分が入っているのか知らないけれど、あれ(ハイチュウ)は間違いなく食べた人間をノックアウトして、それに気付かせないようなものなんだ」

 ハイチュウは長年に渡り、米国でも東海岸と西海岸でも販売されていたが、多くのヤンキースの選手が口にしたのは今年のスプリングキャンプが初めてだという。ただ、実はレッドソックスでは日本人選手の影響で数年前から浸透していた。

 現在も、主に田澤が“伝道師”としての役割を果たしており、4月にフェンウェイパークで行われたヤンキースとの3連戦では、「From Taz(田澤のニックネーム)」と書かれたハイチュウ入りの大きな箱が記者室に置かれたことがある。この時もハイチュウはあっという間に“売り切れ”となっており、米国人の舌を魅了する味であることは確かなようだ。

「みんな食べ尽くすと、おかわりを求めてくる」

 通訳を介してこう語った黒田によると、ヤンキースでの最大のハイチュウ中毒患者は、現在は負傷で離脱中のエース左腕CC・サバシアだそうだ。また、それは中継ぎのショーン・ケリーだと指摘する選手もいる。一方で、ジョー・ジラルディ監督は「私も『食べたことはない』とは言えない」と語っている。

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