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マリナーズ首脳陣からも絶大な信頼 今季3勝無敗の岩隈久志の凄さとポーカーフェイスの下に宿る強い気持ち

復帰後、岩隈がよく口にするフレーズ

 2度目の先発となったロイヤルズ戦からは、3試合連続で8回を2失点以下に抑える快投を続けている。100球に満たない球数で、完封や完投を目前にマウンドを下りることに疑問を抱く声もあるようだが、メジャーは完全分業制であること、岩隈は昨季も100球を超えた試合は33試合中8試合だったこと(110球を超えたことはない)、加えて今季の岩隈はオープン戦なしに開幕を迎えた状態であることを理解しておかなければならない。

 3点以内のリードで9回を迎えた場合、そこには試合を締めくくるクローザーが控えている。基本的に、彼らからセーブ機会を奪うことはできない。しかも、オープン戦を飛ばして開幕を迎えた人物が、3試合連続8回を2失点以内とすれば、それ以上に何を求めることができるのだろう。

 復帰後、岩隈がよく使うフレーズがある。「強い気持ちでマウンドへ上がる」というフレーズだ。

「1試合1試合を大事に、集中して投げています。(開幕をDLで迎えた遅れを)本当に取り戻したい気持ちで、強い気持ちで投げている結果、いいピッチングができているのかなって思います」

 21世紀も10数年を経た今、根性論とか精神論とか、そういった類の言葉や考え方は時代錯誤と言われるかもしれない。だが、今の岩隈が自らの持つ投球術を最大限に発揮できている理由の1つは、間違いなく「気持ち」にあるだろう。淡々とアウトを積み重ねていくポーカーフェイスの下に宿る強い気持ち。シーズンが終わる頃には、開幕をDLで迎えたことすら忘れるような、そんな成績を残しているような気がする。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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