エースのダルビッシュまでもが再び首の張りを発症 レンジャーズでまことしやかにささやかれる「ノーラン・ライアンの呪い」

DL総勢13人。レンジャーズは浮上できるのか?

 DL総勢13人。3年ぶりの地区優勝を狙うはずが、勝敗は5割前後を行ったり来たり。ファンが「呪い」と考えたくなるのも無理はない。

「DL入りした選手が健康だったら……なんて考えても仕方ない。毎日戦うべき試合がやってくる。今いる戦力で勝つ方法を考えないと」と話すワシントン監督は、打線をあれこれ入れ替えながら、何がハマるのか試行錯誤だ。それでも、現在のレンジャーズに光明が見えないわけではない。思いがけず早くメジャーでプレーする機会に恵まれた若手たちが、想像以上に奮闘している。

 投手陣でいえば、テペッシュとマルチネスの先発2人だろう。昨季も一時期は先発ローテに名を連ねたテペッシュは、今季開幕メジャーに残れなかったが、3Aで好投を続け、現在も一回り成長した姿を見せている。

 キャンプでは、メジャーのオープン戦で一度も登板しなかったマルチネスの起用は、文字通りの大抜擢だった。だが、新人とは思えぬ落ち着きぶりで、先発から中継ぎとなり、再び先発に戻るという配置転換にも順応しながら、1勝1敗、防御率2・14という好成績を残している。

 野手陣では、2Aから飛び級でメジャー入りしたオドールとサルディーニャスの20歳&21歳コンビ。二塁手プロファーが抜けた穴を2人で埋めているわけだが、もちろん、まだまだ荒削りな面が目立つこともある。それでも、2人が持つ潜在能力の高さと思い切りのよさは、沈みがちなチームの雰囲気を盛り上げてくれる。2人を同時に昇格させることで、1人あたりにかかるプレッシャーを減らしたい、という球団のプランは、うまくはまった。

「呪い」をかけられたまま、怪我の多かった一年で終わってしまうのか、怪我の多さを感じさせない一年に変えることができるのか。レンジャーズの戦いに注目が集まる。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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