「万能型」松坂大輔が今季2度目の先発へ “暫定的”な先発ローテで自らの価値を証明できるか
暫定的ながら先発ローテに復帰する松坂
4日(日本時間5日)のカブス戦で今季2度目の先発のマウンドに立つメッツの松坂大輔投手について、テリー・コリンズ監督がその「万能性」を評価している。ニューヨーク・ポスト紙が「万能なマツザカがメッツの先発ローテーションに戻ってくる」と大見出しで報じている。
「彼はたくさんの方法で我々を助けてくれている。彼にお願いしたすべての役割でピッチングを見せてくれる。彼は試合の中盤に(長いイニングも)投げるし、セーブを挙げることもできる。セットアップもできれば、先発もしている」
3日のカブス戦で1-2の敗戦を喫する前に、コリンズ監督はこう語っていたという。
今季開幕前のスプリングキャンプで先発ローテーションの5番手を争っていた松坂だが、願いは叶わずに開幕はマイナースタート。メジャーに昇格後は中継ぎ、クローザーと本職ではない役割を黙々とこなしてきた。そして、5月25日のダイヤモンドバックス戦では一時的に先発を任され、6回2失点と力投。今季2勝目を挙げた。カブス戦ではそのダイヤモンドバックス戦に続き、今季2度目の先発となる。
「ダイスケ マツザカは今季メッツのためにありとあらゆる役割をこなしてきたが、水曜日に最も居心地のいい場所に戻ってくる」と記事では伝えている。
松坂にとっては念願の先発復帰となるが、同紙は松坂の先発起用について、背中痛で故障者リストに入っているディロン・ジー投手が復帰するまでの暫定措置だと報じ、松坂の先発は少なくとも2試合になるとしている。
松坂は今季17試合に登板し、2勝0敗1セーブ。防御率は2・45と不振のメッツにおいて、好成績を収めている。記事ではダン・ワーセン投手コーチの「彼とトーレスは価値の高いユーティリティーな選手となった。彼らは文句も言わないし、人間性も素晴らしい。どんな頼みもしっかりとやってくれる」というコメントも紹介。2011年に巨人でプレーした右腕、カルロス・トーレスとともに高く評価されているようだ。
どの役割も高い次元でこなせるのは「Dice-K」の能力の高さゆえだろうが、先発にこだわりを持つ男にとってはジレンマもあるだろう。カブス戦を含む先発2試合で圧巻のピッチングを披露できれば、平成の怪物を取り巻く状況も一変するかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count