黒田博樹が7回2失点と好投も打線が見殺し ヤンキース監督も「これでは試合に勝てない」と怒り
貧打の打線に「素晴らしい投球を台無しに」と地元紙
ヤンキースの黒田博樹投手(39)が8日(日本時間9日)のロイヤルズ戦で先発し、7回2失点の力投を見せた。しかし、打線の援護がなく、チームも1-2と敗れ、黒田は今季4敗目を喫した。その悲運のベテラン投手に地元メディアも同情的で、地元紙ニューヨーク・デイリーニュース紙は「ヒロキ クロダは堅実だったが、ボンバーズ(ヤンキースの愛称)の打線から援護がなかった」と黒田が好投した様子を伝えた。
記事では「彼らはヒロキ クロダの7回5安打で2失点という素晴らしい投球を台無しにした」と報じている。
ジョー・ジラルディ監督も得点力の乏しい打線に憤りをあらわにする一方、黒田の力投を高く評価。「これでは試合に勝てない。山のような得点のチャンスがあったのに……。クロダの偉大なパフォーマンスがあったが、我々は何もできなかった」と話している。
黒田は痛恨の1敗で今季4勝4敗。チームも31勝31敗で勝率5割となった。「今回こそいける。ここでビッグヒットが生まれて、何得点かできて、リードして、ヒロキに勝利をプレゼントできると思ったけど、それは実現しなかった」と監督は続けた。
「マウンドに立っていた男は最高だった」
この日のヤンキース打線は得点圏で17打数1安打、得点圏打率5分9厘、9残塁と信じられない勝負弱さで黒田を見殺しにした。
地元紙ニューズデイは「ヤンキースはロイヤルズ戦で鍵となるヒットを打てず」と見出しで特集。ブライアン・ロバーツ二塁手は「もしも、味方投手が今日のヒロのようなピッチングをした時には勝利が相応しい。我々は勝たなければいけなかったのに、自分たちの仕事を成し遂げられなかった。マウンドに立っていた男は最高だった。彼は自分のなすべきことをした。我々打撃陣は今日以上の仕事をしなければいけない」と攻撃陣の低調な出来を反省しつつ、黒田のピッチングの素晴らしさを力説した。
黒田は4、5月の2か月間で11試合に先発して防御率4・57と持ち前の安定感を欠いていたが、6月の2試合は防御率1・98と本来のパフォーマンスを発揮し始めている。
「彼は素晴らしいピッチングを見せてくれたと思っている。しかも、2試合連続だ。これは我々にとってはいい兆候だ。なぜなら彼はヤンキースの先発ローテーションにとって、いかに重要であり続けているのかを我々は知っているからだ」
ジラルディ監督はこう話しており、黒田の復調をこの日唯一の収穫としている様子だった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count